伊勢志摩百物語~知られざる小さな滝を訪ねて~
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- 11 -719169町立南伊勢病院神地谷七ツ滝によって変化していく様子を楽しむ事も出来ました。 神地谷七ツ滝は、「出合い滝」「逢瀬滝」「夫婦滝」「想い滝」「忍ぶ滝」「清め滝」「隠れ滝」とそれぞれ名前のついた七本の滝の総称です。二本の流れが寄り添って落ちる夫婦滝、底まで透き通る淵を持つ清め滝、巨大な岩の中を隠れるように流れる隠れ滝などそれぞれが特徴を持っています。きっとこれら一連の流れを見た人が想いを巡らし、水の流れる様子を出会いから始まる男女の恋の様々な形に例え、名前を付けそれが伝えられているのではないかと思います。 ここ度会郡南伊勢の伊勢路について、「南北朝時代よりみられる地名。江戸時代は度会郡の伊勢路村と称した。1889年に度会郡穂原村が発足した際、大字「伊勢路」となり、村役場が置かれる。」(南勢町発行『南勢町誌』)とあります。南紀熊野と伊勢神宮を結ぶ街道の周辺にあることから名付けられたようです。また、地元の方から、「昔の人が伊勢神宮へお参りに行く際には滝を訪れ美しい流れを見ることで心が洗われる気持ちになったのではないか。」と教えていただきました。 滝付近は低い山となっています。冬でも訪れることが出来、春は新緑、夏は涼しげな木陰と水量の増えた場所。景色は四季折々に変化します。紅葉はまた別格であるともいわれ、滝と共に山全体の自然を感じることができます。(河原 正知 KAWAHARA Masatomo)■アクセス伊勢方面から県道719号を途中分岐点で伊勢路に入り、鶏卵工場を過ぎて神明淵橋から約500m右折(入り口)。神地谷の看板あり。■周辺の見どころ?獅子島の樹叢…五ヶ所港のすぐ前に浮かぶ双子の無人島。樹齢約1000年ともいわれるウバメガシ等がみられる。県指定天然記念物。出合い滝の札名のなき滝山道からの景色

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